【静岡】ペーパームーンのガパオチャーハン
「これ、すっごい美味しいですね」とマスターに言うと
「あれ、食べたことなかったっけ」と返された。
ペーパームーンには結構な頻度で行っており、何度も食事もいただいていた。
この「ガパオチャーハン」は定番メニューとしていつも認識はしていたが、なんとなく「チャーハン」という語の持つ「ガッツリ感」のイメージが、いつでも痩せたい乙女心的にオーダー候補から外していた。
「普段は目玉焼きなんですけど、生卵切らしちゃって」ということで、はじめて食べるのその日は煮卵が添えられていた。しっかり味が染みていて美味しい煮卵だった。
「もっと早く食べればよかった・・・」という私をはは、と笑い飛ばすマスター。
ナンプラーと米のマッチングが大好きなこと、とくにピキヌーのナンプラー掛けライスを偏愛していること、家に何種類も魚醤を揃えていること、などなど、目の前の「ガパオチャーハン」がいかに自分に刺さる美味しさかを、その日は熱く語ってしまった。
それから1,2週間後、またお店に伺ってガパオチャーハンを頼んだ。
今度は目玉焼きが添えられている。かなりぷるんぷるんの、極限まで黄身がとろけるタイプの半熟目玉焼きだった。
箸で破り、黄身とチャーハンと絡めながら食べると、チャーハンの胡椒強めの味付けが適度にまろやかになって美味しい。
「前回煮卵だったから今回初の目玉焼きで。ひとつ伺いたいんですけど、いつも半熟なんですか?」
「え、ああ、そうですね」
「なるほど・・・」
「え、それはプラスなの?マイナスなの?」
「マイナスではないですね」
「黄身と絡めて食べたら美味しいかなと」
「たしかに美味しかったです。実は、わたしガパオは絶対にカリッカリの揚げ焼きみたいな目玉焼きが良いという信念がありまして。だから最初見たとき、半熟かーと若干テンション下がったんですが、仰る通り黄身とチャーハンを絡めて食べると美味しくて」
「そんな信念が」
「やはりガパオチャーハンとガパオは別物ってことですね。多分あの日本じゃ絶対出てこない目玉焼きのカリカリ感で異国情緒を味わいたいんですよね。ジャスミンライスにはトロトロの黄身が合わない、とかもあるのかな。でもこのガパオチャーハンと半熟目玉焼きは完全にマッチしていました」
「それはよかった」
元はガパオの材料が足らず、ありもので適当に作ったのがきっかけだったらしい。
また、現在のレシピになるまで何度も改良を繰り返しているとか。
本当に感動的に美味しいので、いろんな人に食べてみて欲しい。
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